ひろば
ペットロス症候群の体験
奈良 勲
1
Isao Nara
1
1広島大学
pp.687
発行日 2018年7月15日
Published Date 2018/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201261
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人間がペット(同伴動物)を飼うようになったのは,古い時代に始まる.当時はほとんどが犬だったらしいが,時代とともに種類も増え,時にはペットが放棄され,動物愛護と生態系の秩序を乱す要因になっている.私は子供の頃から,川魚,小鳥,兎,猫,犬を飼育していた.そのわけは身近での鑑賞と遊び相手にすることだったと思う.しかし,癒しの対象としてのペットには餌を与え,清潔に保つ必要もあるため,ペットと飼い主との間には相互間のケアが成立するのである.
私は前妻を亡くした後に,白い手乗り文鳥(くちばしと脚はピンク色)を一羽飼い始めた.文鳥の平均年齢は6歳だが,名をIsao'sに準じて「イズ」とした.私が自宅にいるときには,鳥籠を開けてやると居間に出てきて飛び回り,私がパソコンのキーボードを叩いている手にとまるとか,口を開くと歯の掃除をしてくれることもあり(図),たいへん楽しい仲間であった.
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