特集2 これまでの10年とこれからの10年—理学療法の発展と課題と夢
呼吸理学療法
間瀬 教史
1
Kyoshi Mase
1
1甲南女子大学看護リハビリテーション学部
キーワード:
呼吸リハビリテーション
,
身体活動量
,
早期理学療法
Keyword:
呼吸リハビリテーション
,
身体活動量
,
早期理学療法
pp.26-29
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200434
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慢性期の理学療法
1.ガイドラインの普及
長い間,慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)の治療は薬理学的治療が主体であったが,COPDが全身疾患であるという考え方が広まると,理学療法などの非薬物療法が重要視されるようになった.1997年に米国呼吸循環リハビリテーション協会が発表したガイドライン1)は,COPDの治療に大きなインパクトを与えた.特に,プログラムのなかで下肢の筋力トレーニングが最もエビデンスのレベルの高い有効性を持つことが示され,呼吸練習や排痰法などのプログラムに変わり,筋力トレーニングや全身持久力トレーニングなどの運動療法がプログラムの中心となった.
さらに,2001年に発表されたGlobal Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease(GOLD)でも呼吸リハビリテーションの重要性が明確に指摘された.GOLDはその後も改訂が繰り返され,世界的な標準となっている.このなかで呼吸リハビリテーションは現在でも非薬物療法の重要な位置を占めている.本邦でも2003年に運動療法に関するマニュアルが発表され,2012年には第2版2)が発表されている.
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