1ページ講座 最近の患者会・家族会の活動
全国失語症友の会連合会
園田 尚美
1
1特定非営利活動法人全国失語症友の会連合会
pp.149
発行日 2014年2月15日
Published Date 2014/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106556
- 有料閲覧
- 文献概要
全国失語症友の会連合会(連合会)は,1983年に言語聴覚士の故遠藤尚志氏の呼びかけで発足した.病院でのリハビリテーション終了後の地域失語症者の仲間づくりと情報交換の場として,約30年間活動を継続してきた.全国組織としての連合会は機関紙や啓発冊子等の発行や全国交流大会を開催してきた.2000年に施行された介護保険制度の開始により,“病院退院後,近隣のデイサービスに送迎を利用して通うこと”が障害者の生活になり,障害者自身の自主的活動の友の会の会員数は減少傾向にある.昨今の友の会の役割には,失語症者の住みやすい地域社会をつくる活動も加わった.
2011年の東日本大震災発生時には,全国の会員から被災地友の会へ支援の申し出があり,実現した.同年,厚生労働省担当官・有識者を招き「災害時における失語症者への支援のあり方」シンポジウムを開催,翌年には「失語症リハビリライブと家族相談会」を東北4市で開催.避難所や仮設住宅等で不自由な生活を送る失語症者の支援活動をした.同年,「失語症者と家族の生活のしづらさ全国調査」を実施し,失語症者の ① リハビリテーションの必要量確保がない,② 障害年金が低く生活が困窮している,③ 日常過ごす場所が少ない,④ 身障手帳等級是正など多くの問題点と不安・疲労を抱えた家族の実態が明らかになった.報告書を作成し,全国に配布した.2012年に長野県で開催された全国大会シンポジウムにも行政担当者らを招き,主題を「失語症者の基本的人権保障・地域で当たり前の生活を送ることができる環境整備」とし,会場参加者からも活発な意見が出された.
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.