特集 救急医療と理学療法
ICUにおける頭部外傷の理学療法
星 孝
1
Hoshi Takashi
1
1石岡脳神経外科病院リハビリテーション部
pp.651-656
発行日 1998年9月15日
Published Date 1998/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105128
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1.はじめに
頭部外傷の理学療法を行う対象は,脳実質に何らかの損傷がみられる閉鎖性頭部外傷例である.それらの病態は脳挫傷,硬膜外血腫,硬膜下血腫,脳内出血などであり,受傷直後はただちに意識レベルや全身状態の観察,神経学的検査や画像診断を行い,手術適応か保存的治療かの判断が下される.脳神経外科領域における早期からの理学療法では,病態の把握はもとよりモニタリングや全身管理の知識が必要とされる.ICUでの理学療法士の主たる役割は,二次的合併症をいかに予防し,離床につなげるかに尽き,チーム医療のなかで大きな役割を担うことになる.
本稿では,Intensive Care Unit(ICU)における,急性期頭部外傷の理学療法に必要と思われる視点を,我々の経験した症例を踏まえて述べてみたい.
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