とびら
理学療法士として働いて
小林 暁美
1
1羽生病院理学療法科
pp.1
発行日 1998年1月15日
Published Date 1998/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104978
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養成校を卒業して,早いもので25年が経つ.理学療法士として働いていない6年間を差し引くと,20年近くこの仕事で働いていることになる.理学療法士としての成人式を迎える時期と思うと,何と未熟な成人であろうと自分に対して思う.25年前のリハビリテーションという言葉は,今ほどには社会的に通用することもなく,リハビリテーションの学校にいくと母に伝えた時,キリスト教の学校なのかと尋ねられたことを覚えている.学校卒業後もしばらくは,自分の職業を説明しなければならなかった.それが現在では,テレビ番組に作業療法士,理学療法士が登場するようになり,十分とはいえないが,確実に社会の受けとめ方は変化してきている.
さて,私の25年はどうであろうか.生業(なりわい)として,この仕事を選んだのであるが,毎日の積み重ねのなかで自分自身,仕事から強い影響を受けてきた.その影響の強さゆえに,また働いている世界の狭さゆえに,暫くこの仕事から遠ざかっていた時期があるが,すべては自分自身の問題であると気づき,再び仕事に戻った.この間の休憩が私に気持ちの余裕を与えてくれている.
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