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編集後記
内山 靖
pp.602
発行日 1996年8月15日
Published Date 1996/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104705
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ここに8月号をお届け致します.今月は「理学療法における基礎研究」と題して特集を組みました.理学療法を多くの国民に対してより効果的に提供するためには,学問体系にこだわらずとも,その基礎を明確にすることは極めて重要と考えられます.理学療法を遂行する上では生物・医学的モデルとともに社会・行動学的指向に重要性が叫ばれて久しいのですが,それに対する基礎研究という限定された医学がかなりの割合でイメージされるようです.
そこで本特集では,理学療法の礎を担う研究について広く捉えてその現状と将来を模索することと致しました.したがって今回は実験計画法や基礎医学にかかわる方法論の詳細には立ち入らず,そのフレームワーク自体を様々な視点から考える構成をとっています.一方では各執筆者の基礎研究に対する背景は異なり,それ自体が今後の軌跡として重要な意味を持っているように思います.基礎研究は臨床と対峙するものではなく,基礎研究に対する臨床家のある種の嫌悪感や縁遠さが少しでも払拭され,今後の理学療法を豊かなものに感じていただければ幸いです.お忙しい中を十分な時間をかけでご執筆いただいた先生方には厚く御礼申し上げます.
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