特集 退院前指導とそのフォローアップ
在宅介護支援センターからみた在宅患者の問題と退院前指導のあり方
宇佐見 準子
1
Usami Junko
1
1医療法人社団白梅会老人保健施設白梅ケアホーム
pp.688-694
発行日 1996年10月15日
Published Date 1996/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104614
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1.はじめに
在宅介護支援センター(以下,支援センター)は在宅介護に関する総合的な相談に応じ,市町村,サービス実施機関,医療施設等との連絡調整その他の援助を総合的に行うことを目的とし,平成2年に発足した.これは市町村の委託を受け,特別養護老人ホーム,病院,老人保健施設等に併設され,24時間体制で活動している.適切な相談助言のため,ソーシャルワーカー(以下SW)と看護婦のチーム,または保健婦と介護福祉士チームがおかれている.
静岡県では平成4年度より県民生部と理学療法士(以下PT)作業療法士会が協力し,在宅リハビリ推進事業が始まった.浜松市内では3施設でPTが非常勤職員として配置され,要援護老人の世帯を訪問し,相談・指導を行っている.
この間,筆者は月2回支援センターの活動を経験し,地域に埋もれている患者および家族の生活を垣間見た.それは病院においては見えてこないものであり,改めて病院のリハビリテーションについて考えさせられた.そこで本稿では,病院と在宅ケアの活動を通して,在宅患者や家族が抱えている問題を整理し,病院や老人保健施設等で退院前指導として配慮すべき事項について私見をまじえて述べる.
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