Japanese
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特集 高齢の整形外科的疾患患者に対する理学療法
慢性関節リウマチ患者の車いす
Physical Therapy for Elderly Patients with Orthopedic Conditions: Wheelchairs for Patients with Rheumatoid Arthritis
島田 勝英
1
,
伊藤 良介
2
,
根本 明宜
2
Katsuhide SHIMADA
1
,
Ryohsuke ITOH
2
,
Akinobu NEMOTO
2
1神奈川リハビリテーション病院理学療法科
2神奈川リハビリテーション病院リハビリテーション科
1Department of Pysical Therapy, The Kanagawa Rehabilitation Hospital.
2Department of Rehabilitation Medicine, The Kanagawa Rehabilitation Hospital.
pp.538-542
発行日 1994年8月15日
Published Date 1994/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104063
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Ⅰ.初めに
慢性関節リウマチ患者の障害は多様で,変化しやすい.関節リウマチの薬物治療や観血的治療は進歩しているが,種々の原因で移動能力が低下し歩行が難しくなることがあり,特に高齢者になるほど車いすに頼る割合が多くなると思われる.
移動能力の向上のためには車いすは有効な手段であるが,脊髄損傷など他の疾患に比較すると,リウマチ患者の車いすについて検討された研究は少ない.これはリウマチ患者の障害はつねに変化していき,また個人による差が大きいため画一的に検討するのが難しいことが理由の一つと思われる.しかし,より適切な車いすを求める努力を行ない,経験によって製作された車いすも客観的に見直すことはつねに必要である.一方理想的な車いすを考えながらも,実際の患者に対しては現状で最も適切と思われる車いすを製作することも重要である.
本稿では,車いすをより客観的に捉える試みとして車いす駆動の分析を紹介し,次に車いすを処方するに当たってのわれわれの現在の考え方を述べ,実際の処方例を示した.
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