学会印象記 第28回日本理学療法士学会
爽快感・疲労感・寂寥感―私の初発表体験記
稲村 久美子
1
1大川原脳神経外科病院リハビリテーション科
pp.574-575
発行日 1993年8月15日
Published Date 1993/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103814
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プロローグ
1992年10月某日,全国学会用の演題抄録原稿用紙を前に思うのでした.<今度の学会は横浜.いいなぁ.横浜.行きたいなあ….>
演題を出す動機としては,あまりにも不純ではないかと自戒しつつも,“中華街”の誘惑はなかなかに強固なのでした.日頃の自分の不勉強さが身に沁みているならば,おいそれと学会発表などという大胆な行動には結び付かないはずでして…….そんなときに自分の担当患者さんのことが頭に浮かんできたわけです.急性期に非常に重篤な状態で,予後も不良と思われていた患者さんが,一年半かかりながらも目覚ましい回復をみせて,そろそろ自宅退院の準備を進めようか,というところでした.疾患自体今までに経験の無いものでしたし,治療経過の中で私自身,考え悩むことの多かった患者さんであっただけに,自宅への退院は私にとっては感動的ですらありました.
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