雑誌レビュー
“Physiotherapy Canada”(1991年版)まとめ
佐久間 誠司
1
1神奈川リハビリテーション病院理学療法科
pp.715-718
発行日 1992年10月15日
Published Date 1992/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103613
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Ⅰ.初めに
近年,カナダ理学療法協会は理学療法サービスの質の向上と普及に努めてきた.臨床家のみならず,研究者,教育者として通用する人材の育成に取り組んでいる.このような改革の一つに協会誌である“Physiotherapy Canada”の編集方針の変更があった.“Physiotherapy Canada”について会員からの批判は,自分たちのニードを十分に満たしていないというのが理由の一つであった.研究報告に加え,広く臨床家に興味ある内容が望まれていた.
1991年版(vol.43)は,これらの要求を考慮して編集されている.発行回数は年6回から年4回に減ったが,内容は多岐にわたり実践的な報告が多くみられる.この変化はおおむね会員には好評のようである.しかし一部には批判もある.例えば論文の編集担当であるscientific editorを廃止したことは,ジャーナルの科学性に影響し研究者が興味を示さなくなるのではないかと危惧されている.以上,簡単に改革の経過を紹介したが,今後ともこの変化に注目していきたい.
1991年版は,研究論文11編,総説論文4編,症例報告1編の計16編が掲載されている(図1).本稿では分野別に分類し,内容を紹介する.なお,文中の[( )]の数字は,( )内が論文の掲載号数,それに続く数字がページ数を示す.
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