書評
―斉藤昭彦 著―『これでナットク らくらく合格PT・OT国試一般問題対策/PT専門問題対策スピード攻略ブック』
中屋 久長
1
1高知リハビリテーション学院
pp.56
発行日 2005年1月15日
Published Date 2005/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102494
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16年4月現在,理学療法士(PT)養成校は172校で一学年定員8,027名,作業療法士(OT)養成校は156校で一学年定員6,388名である.双方ともにおよそ,大学が20%,定員数で15%,短期大学が2.3%,定員数で1.5%,4年制専門学校が33%,定員で34%,3年制専門学校が44%,定員で45%を占める.専門学校は学校数で全体の77%,定員数で約80%を占めている.14年度国家試験の合格率はPTが97.9%で過去最高の合格率,OTが95.5%である.比較的新しい養成校特に専門学校の合格率が高い傾向にある.国家試験マニュアル本が近年多く発刊されそれなりの売れ行きを示している.学校数や定員数,学校種別から鑑みると当然の結果である.
個人的ではあるが基本的に「傾向と対策」「マニュアル」本は好みではない.ただ学生が間違っているものを発見し,正しく解答する作業でより力をつけるという場面もあって利用価値が高まっていることも事実である.本来なら指定規則,各校カリキュラムに沿って基本的な学習ができているとすれば国家試験は合格するとしたほうが理にかなっている.しかし,3~4年という短い教育期間でPT,OTとしての資質を養うことは至難の事と考える.今,PT・OTとして「原理原則に則って物事の本質を追求するカリキュラム,教育水準」が必要ではないかと考える.また国家試験問題も練習で合格するものであってはならないと思う.
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