書評
―対馬栄輝(著)―「SPSSで学ぶ医療系データ解析」
木村 朗
1,2
1聖隷クリストファー大学リハビリテーション学部
2前 SPSS Japan
pp.75
発行日 2008年1月15日
Published Date 2008/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101102
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一生懸命に患者さんのことを考えて,工夫することは,論文を書くことよりも大切なことかもしれない.患者さんの汗と,時に涙に触れる時,理学療法士という仕事の喜びを感じない訳にはいかない.
コミュニケーションが重要なことには変わりないが,近年,そこで交わされるものの質が変わりつつある.世間一般を見渡せば,財布の中にいくら入っているか分かっていれば,その範囲で安心して食べられる回転ずしが大流行した.それはデータの時代を象徴している.かつて統計は,研究者でなければ行えないほど面倒くさくて,難しいものだった時代が長く続いた.コンピューターの出現は,この手続きを誰でも簡単に,正しく計算できるようにしてくれた.しかし,データの入力方法でつまずく初心者は多く,慣れてくると本当に適切な方法を選ぶための方法を知りたくなる人はとても多い.理学療法の分野に限らず,データの信頼性をどのように表せばよいのか,困っている人は大勢いるのだ.
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