入門講座 理学療法ワンポイントアドバイス➍
循環障害―心不全
佐藤 滋
1
,
小笠原 るみ子
1
,
斉藤 雅彦
2
,
小林 昇
2
,
谷口 泰代
2
,
上嶋 健治
2
Sato Shigeru
1
1岩手医科大学附属循環器医療センター心臓リハビリテーション室
2岩手医科大学附属循環器医療センター第二内科
pp.324-328
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100951
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近年,心疾患患者への運動療法が積極的に行われるようになった.本邦でも急性心筋梗症発症後あるいは狭心症への運動療法の効果はほぼ確立した感がある1).また米国では,弁膜症や心筋症あるいは虚血性心疾患を原因とする心不全患者への運動療法も積極的に行われ,中等度までの心不全の運動療法プロトコールも確立されつつある2).しかし,本邦では心不全への運動療法はいまだ一般化されておらず,一部の施設でのみ行われているにすぎない3).この背景には,心不全の原因は多様であり,なかには病状の不安定化を来す危惧があることが挙げられる.しかし,近年の急性期病院での在院日数短縮化への流れや,長期安静臥床による合併症および脱調節などの防止の観点から,心不全への積極的な運動療法は時代の要請である.そこで本稿では心不全,特に慢性心不全についてその病態,検査方法とその所見,薬物療法および運動療法についての基本的なポイントを概説する.
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