理学療法の現場から
診療録保存について思うこと
望月 圭一
1
1東京大学医学部附属病院
pp.984
発行日 2003年11月1日
Published Date 2003/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100921
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診療録の保存については,法的には診察終了の日から5年間とされている.しかし実際にはそれ以上の長期間保存をしているところが大学病院を中心として少なからずみられる.私の勤務する病院でも保存されている.
1993年の新外来棟完成を期に,それまで各診療科ごとにあった診療録を一部を除いて「1患者1カルテ」の統一カルテとし中央管理とした.過去5年分については所定の手続きをとればいつでも担当者により出庫される.中央病歴室での閲覧もできる.5年以上を経過した統一カルテについてはバインダーから外し隣接したカルテ保存庫に移され,こちらについても出庫・閲覧が可能である.統一カルテができる以前の各科ごとにあったカルテは各科が保存しており,今後の処理についても任されている.なにしろ百年余の歴史のあるところである.カルテのほかX線写真,関係資料などその量たるや膨大なものであり,各科とも製本したり,ひとまとめにして袋に入れたりと各々工夫して保存している.ちなみに私は今年1月に循環器内科に入院したが,13年前に胸痛で外来に3~4回通院したときの統一カルテ以前のカルテが出庫された.その当時,24時間ホルター心電図,エコーなどを行ったがはっきりした病名もつかず症状も収まったのでそのまま放置していたが,入院時その後の経過について聞かれた.
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