増刊号 臨床血液検査
II.止血機能検査
2.検査の実際と症例の解釈
1)血小板機能検査
A.検査法
(1)出血時間
松野 一彦
1
1北海道大学医学部附属病院検査部
pp.146-149
発行日 1991年6月15日
Published Date 1991/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906500
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■出血時間測定の意義
血小板は,損傷を受けた血管の内皮下(膠原線維など)に粘着して活性化され,放出・凝集反応を介して血小板血栓を形成し,一次止血を完了する.出血時間の測定は,血管を穿刺してから,上記の諸反応を経て止血するまでの全経過をトータルに把握できる検査と考えられている.従来は,血小板減少を簡単にスクリーニングできる検査法として用いられてきたが,血小板数の計測が容易にできるようになった現在では,血小板機能異常のスクリーニング検査,あるいは抗血小板薬治療のモニターのための検査としての意義が大きくなってくるものと思われる.
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