増刊号 細胞像の見かた―病理・血液・尿沈渣
第1章 病理 細胞像からここまでわかる
3.乳 腺
3)浸潤性乳管癌:乳頭腺管癌
都竹 正文
1
,
秋山 太
2
1癌研究会附属病院細胞診断部
2癌研究会研究所病理部
pp.917-919
発行日 2004年9月15日
Published Date 2004/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100749
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浸潤性乳管癌:乳頭腺管癌
乳腺の悪性腫瘍のうち充実腺管癌と並んで頻度の高い乳頭腺管癌を取り上げ解説する.
乳頭腺管癌(papillotubular carcinoma)とは乳管内増殖を特徴とする癌である.乳頭状および腺腔形成性増殖が著しい癌で,間質結合織の増生の乏しいものをいい,その多くは乳管内増殖が著しいものである.乳頭腺管癌は高分化乳癌に相当し,予後はよい.わが国では乳癌の約20%を占めている.乳房X線画像(マンモグラフィ)上,本型は腫瘍内に微細石灰化を伴うことがあり,また,時に乳房内に広く微細石灰化や拡張乳管像として認めることがある.なお,微細石灰化像は良性病変でも生ずることがあることは周知のとおりである(図1,2).
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