増刊号 免疫検査実践マニュアル
各論
Ⅹ.輸血
1.血液型—ABO型,Rh型検査法
冨田 忠夫
1
1大阪府南大阪赤十字血液センター・技術部
pp.318-321
発行日 1994年4月15日
Published Date 1994/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901984
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■ABO型
1900〜1902年LandsteinerらによるABO型の発見は,輸血の安全性の向上と普及に大きく貢献した.ABO型の検査は,後出Rh0(D)型とともに輸血の際,必須の検査項目である.
ABO型抗原の生成は,D-ガラクトース,N-アセチルグルコサミン,N-アセチルガラクトサミンの糖鎖を前駆物質として,H遺伝子によるH転移酵素によってH物質が生成される.さらにこのH物質にA遺伝子によるA型転移酵素,B遺伝子によるB型転移酵素が働いて,それぞれA型,B型ができあがる.AあるいはB遺伝子を持たないO型はH物質そのものである.
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