Laboratory Practice 病理 細胞像からここまでわかる
呼吸器(10) 肺過誤腫
堀内 啓
1
,
荒井 政和
1
,
松谷 章司
1
1NTT東日本関東病院病理診断部
pp.56-58
発行日 2002年1月1日
Published Date 2002/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906101
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臨床的特徴
肺過誤腫は気管支周囲の間葉系組織に由来する腫瘍であり,軟骨,線維性結合組織,脂肪,平滑筋や,腫瘍内に取り込まれた気管支上皮が種々の程度に混合して腫瘤を形成する病変で,肺に結節性陰影を呈する疾患の7〜14%を占める.男女比は2〜4:1で,男性に多い.小児にはまれで成人に好発し,50歳台に最も多い.末梢肺に発生するもの(肺実質型)と,気管支内に発育するもの(気管支内型)があり,前者のほうがより多く,無症候性の結節性病変として発見されるのが典型的である.気管支内型は,肺過誤腫全体の10〜20%を占め,気管支閉塞に起因する症状(咳,血痰,呼吸困難,閉塞性肺炎など)を呈することが多い.
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