増刊号 病理組織・細胞診のための日常染色法ガイダンス
11.脂質(脂肪および類脂質)の日常染色法
ズダンIII染色
畔川 一郎
pp.842-844
発行日 2001年6月15日
Published Date 2001/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905908
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脂肪は脂肪溶剤によって抽出される複合体の総称で,中性脂肪,リン脂質,糖脂質などに分類される.
中性脂肪の多くは,貯蔵型脂肪として皮下,腸間膜,大網などの脂肪組織を構成する.脂肪は脂肪変性,つまり異常に増加したり,通常では見いだされない組織に出現することがあり,これらの脂肪を証明するために用いられる.腫瘍では脂肪が細胞内に出現することから,脂肪肉腫の診断根拠としても用いられる.また,パラフィン標本ではアルコールやキシレンに溶出してしまうため染色することができないので,ホルマリン固定した組織の凍結切片を用いて,これらの脂肪を証明する.
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