増刊号 病理組織・細胞診のための日常染色法ガイダンス
2.結合組織の日常染色法
a)膠原線維の染色法
アザン染色
大塚 俊司
pp.640-643
発行日 2001年6月15日
Published Date 2001/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905841
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目的
アザン染色(Azan stain)は,本来マロリー(Mallory)が考案した酸性フクシンを用いる膠原線維染色法〔マロリー染色(Mallory stain)〕をハィデンハイン(Heidenhain)が改良したもので,アザン・マロリー染色(Azan-Mallory stain)ともいう.これは酸性フクシンの代わりにアゾカルミンGを使用したもので,マロリー染色と同様に,膠原線維,細網線維などをアニリンブルーで青色に,筋線維や細胞核などをアゾカルミンGで赤色に染める.膵ランゲルハンス島などの細胞内分泌顆粒,硝子滴変性,線維素などの病的産物を染め出す点においても効果的な染色法である.
しかし,アザン染色はマッソン染色(Massonstain)に比べ,染色に長時間を要すること,およびオレンジGの染色性が劣っているなどの難点が多く,現在では,マッソン染色が多く用いられている.
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