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自己免疫性肝炎の自己抗原—HMG1およびHMG2
傍島 淳子
1
,
上杉 裕子
1,2
,
尾崎 承一
3
1京都大学大学院医学研究科臨床生体統御医学講座臨床免疫学
2大阪府済生会野江病院一般内科
3聖マリアンナ医科大学リウマチ・アレルギー内科
pp.558-561
発行日 2001年6月1日
Published Date 2001/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905833
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はじめに
自己免疫性肝炎(AIH)は自己免疫性肝疾患の代表疾患であり,抗核抗体,抗平滑筋抗体をはじめとする自己抗体が多数検出される.最近,抗好中球細胞質抗体(anti-neutrolphil cytoplasmic antibodies;ANCA)のうち好中球の核周囲が染まる,ペリニュクリアANCA(P-ANCA)も高頻度に検出されることが報告されている.その対応抗原のうち主要なものとして,われわれはhigh mobility group protein 1 and 2(HMG1,HMG2)を同定し,HMG1およびHMG2に対する抗体がAIH患者血清中に高頻度かつ高力価に検出されることを見いだした.
本稿では,AIHにおける抗HMG1/HMG2抗体について,われわれの知見をふまえて概説する.
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