Laboratory Practice 病理 細胞像からここまでわかる
呼吸器(5) 大細胞癌
堀内 啓
1
,
荒井 政和
1
,
松谷 章司
1
1NTT東日本関東病院病理診断科
pp.130-132
発行日 2001年2月1日
Published Date 2001/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905731
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大細胞癌の臨床的特徴と分類
大細胞癌は,腫瘍が特定の分化傾向を示さず,扁平上皮癌,小細胞癌,腺癌の特徴的所見を欠く悪性上波性腫瘍であり,他の組織型に分類することが不可能な,分化傾向を失った癌に対するゴミ箱(wastebasket)的な診断名といえる.したがって,生検で大細胞癌と診断されても,他の組織型の低分化成分を見ている可能性はあり,手術材料で特徴的な分化像が見つかれば,他の組織型に分類されることもまれではない.
肺癌取扱い規約では,大細胞癌を粘液形成型と粘液非形成型に分類し,腫瘍細胞内に粘液が認められても,管腔形成がなければ腺癌とはしないが,WHO分類では,強拡大2視野中に5個以上粘液を持つ腫瘍細胞があれば腺癌に分類される.また,肺癌取扱い規約では,大細胞癌の中に巨細胞型という亜型を設けているが,WHO分類では巨細胞癌は大細胞癌とは別の項目で取り扱われている.WHO分類では,大細胞癌の亜型として,large cell neuroendocrine carcinoma, basaloidcarcinoma, lymphoepithelioma-like carcinoma,clear cell carcinoma, large cell carcinoma withrhabdoid phenotypeが記載されている.
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