オピニオン
淘汰の時代に突入した検査部と検査技師—果たしてわれわれは生き残れるか?
丸山 征郎
1
1鹿児島大学医学部臨床検査医学講座
pp.1272
発行日 1999年10月1日
Published Date 1999/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903988
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検査はどうなるのか
日本経済を取り巻く環境は急激に変化してきた.これは誰の目にも明らかである.そのあおりで,医学・医療も,そしてわれわれ検査業界も,大波小波を受けて,もはや青息吐息である.医療制度はめまぐるしく変わり,現場にいてもついていけないほどである.われわれに関係のある新しいキーワードを列挙してみても,クリティカルパス,Evidence-Based Medicine,Global Standard,定額制,介護保険,DNAチップ,遺伝子多型,ヒューマンゲノムプロジェクトなどなど,枚挙にいとまがない.一言でいえば,医学・医療の世界においても米国支配がますます顕著(露骨?)になったということである.
このような状況の中で,大きな病院においては検査部が次々に縮小,ないし閉鎖,あるいはブランチ化,外注化されていき,いやおうなしに,われわれは厳しい対応を迫られている.この疾風怒濤の時代に何を一手として打つのか?信念に基づき,揺るがない自信と誇りを持ってどのような手を打つのか? 今こそ厳しく問いつめられているのである.精度管理,精度管理などといって,サイエンスと医療経済の激動に気づかぬうちに,このように世は激変したのである.
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