増刊号 緊急検査実践マニュアル
各論
7.生理検査
1)心電図 臨床編
桝井 良裕
1
,
明石 勝也
1
1聖マリアンナ医科大学救急医学教室
pp.950-959
発行日 1999年6月15日
Published Date 1999/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903921
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はじめに
心疾患,特に虚血性心疾患や不整脈を診断する際,最も一般的で,かつ簡便な検査方法の1つが標準12誘導心電図(以下,心電図)の記録である.しかし,最も一般的であるがゆえに,特に運動負荷心電図検査施行中などに急性心筋梗塞や狭心症が出現したり,不整脈の出現が見られることも多く,的確かつ迅速な対応が要求される.この際,常に循環器病に習熟した医師が傍にいるとは限らず,最初の判断は技師が下さなければならないことも往々にしてある.的確で迅速な判断を下すためには,その心電図所見が危険なものであるか否か,危険であるとすれば,その緊急度はどの程度なのかを知っておかなければならない.
本稿では,異常心電図を虚血性心疾患と不整脈とに分け,それぞれの心電図所見と臨床的意義を中心に説明することとしたい.
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