増刊号 緊急検査実践マニュアル
各論
2.血液検査
3)血液凝固検査 f)D-ダイマー 技術編
島津 千里
1
1帝京大学医学部附属病院中央検査部
pp.812-813
発行日 1999年6月15日
Published Date 1999/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903871
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はじめに
フィブリノゲンにトロンビンが作用すると,フィブリノペプタイドA,次いでBが切断され,フィブリンポリマーが形成される.フィブリンポリマーはトロンビンで活性化された凝固第XIII因子の作用によって安定化(架橋)フィブリンとなる.安定化フィブリンがプラスミンにより分解されると,ポリマー構造を有する分解産物の集合体である高分子体(cross-linked fibrin degradationproducts;XDP)が産生され,さらにDD/E分画複合体やDDおよびE分画が生成される.すなわち,D-ダイマーとは架橋化されたフィブリンの分解産物の総称であり,XDPとも呼ばれる.D-ダイマーの測定はこの後期の分解産であるDD/E分画複合体を定量するものである.
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