ほっとコーナー
きのこ中毒(趣味)になった症例
村上 勉
1
1大阪府立千里救命救急センター救急検査室
pp.811
発行日 1999年6月15日
Published Date 1999/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903870
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救命救急センターの特徴として,一般病院と同様に短時間での迅速検査が要求されますが,病院に比べて“急性中毒”が多い実態があります.日本中毒情報センターは,中毒原因物質を家庭用品・医薬品・園芸用品・工業用品・その他の5項目に分類しています.自然毒の「きのこ中毒の症例」から私が“きのこ中毒(趣味)”になった話を紹介します.
3年ほど前の秋,T先生から「アマニチン,イボテン酸,ムシモルの血中濃度を測定できないか」との問い合わせに「アマニチン,イボテン酸,ムシモル???きのこ中毒ですか?」と私.患者は,公園に生えているきのこを美味しく食されて,その後気分が悪くなり来院.きのこの毒成分を分析している施設を探すため,検査センターや各地の公衆衛生研究所に連絡しましたが,分析可能な施設とコンタクトはできませんでした.きのこ中毒患者は,幸いにも症状は消退し退院となりましたが,ドクターのリクエストに応じられず,恥ずかしい思いが残りました.
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