増刊号 緊急検査実践マニュアル
各論
1.生化学検査
5)ビリルビン 臨床編
伊藤 進
1
1香川医科大学小児科
pp.706-708
発行日 1999年6月15日
Published Date 1999/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903830
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検査の意義と目的
新生児のビリルビン脳症の予防のため,肝・胆道系疾患の鑑別および病態の把握,先天性のビリルビン代謝異常症の診断や溶血性疾患の発見などに血清(漿),尿や胆汁中のビリルビンの測定がなされる.また,新生児期から成人まで対象とする疾患が異なるために測定頻度や測定法が異なる.新生児期は,非抱合ビリルビン(unconjugatedbilirubin;UCB)によるビリルビン脳症(核黄疸)の予防のための治療をするために頻回に比色法(毛細管法)により血漿中総ビリルビン(totalbilirubin;TB)濃度を測定する.
これに関して,2つの検査法を付け加える必要がある.経皮的ビリルビン測定装置とアンバウンドアナライザーである.前者は,客観的・非侵襲的な方法として新生児黄疸のスクリーニングに使用されており1),血漿中TB濃度測定のための採血の頻度を減少させている.後者は,蛋白非結合(アンバウンド)ビリルビン(protein unboundbilirubin;PUB)がビリルビン脳症と最も関係するとの理由から,簡易測定器が開発され臨床に応用されている2).
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