検査ファイル
免疫グロブリンスーパーファミリー
根来 茂
1
1大阪大学医学部第3内科
pp.435-436
発行日 1992年5月1日
Published Date 1992/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901038
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免疫グロブリンスーパーファミリー(immunoglobulin superfamily)は,immunoglobulin super gene family(免疫グロブリン超遺伝子族,免疫グロブリン多重遺伝子族)とも呼ばれている.このファミリーには,図1に示すさまざまな分子が属している.これらの分子は,類似した基本構造を有しており,進化論上,共通な遺伝子を祖先にしていると考えられている.免疫グロブリン,T細胞抗原認識レセプター,主要組織適合抗原,CD3(ε,γ,δ鎖),CD2,CD8,CD4などリンパ球機能と密接に関係している分子のみでなくMAG,N-CAM,Poなど神経系を構成している分子もこのファミリーに属している.そのほか,血小板由来増殖因子(PDGF)に対するレセプターやCEA(carcinoembryonic antigen)もこのファミリーに属する1).
免疫グロブリンスーパーファミリーが存在する事実が明らかになった背景には,まず免疫グロブリン構造研究の成果がある2).免疫グロブリン(図1のIgM)は,L鎖とH鎖から構成されている.両鎖は,可変部(V)と定常部(C)をもっている.抗原と結合するのは可変部である.両鎖は,いずれも約100個のアミノ酸配列を単位とする集合体から構成されている.
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