増刊号 病理組織・細胞診実践マニュアル
第VII章 検査室のシステム化
1.検体の管理,受付と保存
根本 則道
1,2
,
杉谷 雅彦
1,2
,
武居 宣尚
2
1日本大学医学部病理学教室
2日本大学医学部附属板橋病院病理部
pp.324-326
発行日 1998年6月15日
Published Date 1998/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903541
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はじめに
医療現場における病理診断業務の流れは,①検体の採取,②病理部(科)での受付,台帳登録,③切り出しと記録,④標本作製,⑤鏡検,診断,⑥診断報告書の作成,⑦報告書の発送,⑧標本ならびに診断報告書のファイルとその保管からなっている.検体の採取から病理台帳に登録されるまでの検体管理は臨床各科にゆだねられているが,検体の受付が終了し,病理固有のID(病理番号)が付与されてからは,その管理責任は病理部(科)に移る.病理診断の精度はもちろんのこと,医療の精度管理上,いずれの段階もおろそかにはできない.
当施設ではすでに1983年に病理部における独自のコンピュータ登録と検索システムを開始した.その後,1990年にシステムの改変を行い,1997年まで同システムによる病理部業務を行ってきた.しかし,1998年から3つの附属病院(板橋,駿河台,光が丘)に共通のオーダリングシステムが導入されることに伴い,病理部のコンピュータシステムも再改変を余儀なくされた.新しいシステムでは「Dr. ヘルパー」Windows NT 4.0を基本として使用しているが,独自の改変を加えている.病理部におけるコンピュータシステムの構築についてはすでに多数の報告があるのでそれらを参照されたい1〜5).
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