検査の作業手順を確立しよう 総論
臨床検査におけるQAと検査室の認定概要
桑 克彦
1
1筑波大学医療技術短期大学部
pp.71-75
発行日 1998年1月1日
Published Date 1998/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903324
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はじめに
本シリーズでは“検査作業書”について考えてみたい.“検査作業書”とは,各検査部門での検査に関する作業内容を文書化し,もし問題が生じた場合は,どこに戻ればその原因が解明できるかがわかる内容のものである.各検査部門ではこのような文書を準備する必要がある.それを整備することは病院機能評価における検体検査部門の「検査の標準作業書」の有無への対応と,さらに国際的に作業が進められている「検体検査に関する検査システムの標準化」で扱われる検査室での作業内容や検査室の認定などへの対応につながるからである.
すでにその例として,検査センター(登録衛生検査所),会社の研究部門や検査部門,あるいは工場などでの作業書がある.しかし,病院の検査部門ではこのような文書の準備は十分ではない.検査法それ自体のマニュアルに追加して,どのような手順で検査業務を行うのかという作業手順についての内容をまとめておくべきである.担当者しかわからないようなやりかたや,わからないとすぐメーカーに聞くというようなやりかたは改善する必要がある.そして,作業中に問題が生じたら,どのように対処するのか,あるいは何が不備だったのかなどが解析できるような作業手順書を整備すべきである.
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