今月の表紙
血球計数装置の研究的利用
巽 典之
1
,
樋口 智子
1
1大阪市立大学医学部臨床検査医学
pp.1017
発行日 1997年11月1日
Published Date 1997/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903266
- 有料閲覧
- 文献概要
女性だけでなく,男性でも最近は体重と肥満度にやたら関心を示すご時世です.体脂肪量は体重とは違う意味があるとのことで,健康診断でその測定値が記され,その結果を見て,去年より増えた,減ったと一喜一憂しているようです.さて,その体脂肪率の簡易計測には,皮脂厚法,近赤外分光法,立位生体インピーダンス(BIA法),二重X線吸収法(DEXA法)などがありますが,患者への負担,再現性,経済性などの点でBIA法が最も優れているものの,早朝・運動・発汗・飲酒時にバラツキが生ずるので,昼食後2〜3時間ごろが最適測定時となっているようです.
さて,血球計数装置の血球容積原理もやはりインピーダンス法と呼ばれていて,その計測精密性と正確性は極めて素晴らしいことは読者諸兄姉がよくご存じでしょう.このインピーダンス法の優秀さを活用することで,血球計数装置を血球膜物質輸送能分析装置として転用できます.その一例として,赤血球膜の糖輸送能の検討例を紹介してみましょう.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.