病気のはなし
敗血症
舟田 久
1
1富山医科薬科大学医学部感染予防医学講座
pp.1002-1009
発行日 1997年11月1日
Published Date 1997/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903263
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
新しい知見
敗血症は,感染が惹起した炎症性サイトカインの過剰産生に起因する全身性の炎症反応と把握され,血管内皮障害を共通の基礎病態とする全身性炎症反応症候群(SIRS)に含められる.敗血症は,重症敗血症,敗血症性ショックを経て,多臓器機能障害症候群へと重篤化するが,この連続性の中で各病態が明確に定義され,適切な臨床対応への道が開けてきた.特に重症敗血症が敗血症性ショックの前段階として予後の分岐点に位置づけられた.また,低血圧の主因が一酸化窒素(NO)の過剰産生であることも明らかにされた.最近は抗菌薬治療に加えて,抗サイトカイン治療の臨床応用も考えられている.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.