技術講座 血液
フローサイトメトリー法による急性白血病細胞の測定
野間 芳弘
1
,
中川 貴美子
1
,
宮崎 年恭
1
,
中村 利弘
1
1(株)大塚東京アッセイ研究所検査部細胞性免疫課
pp.727-731
発行日 1997年8月1日
Published Date 1997/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903202
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新しい知見
近年の白血病治療は目覚ましい進歩を遂げているが,いまだ治療抵抗のために寛解導入が困難な症例が存在するのも事実である.その中でも予後不良因子として注目されているmixed lineage leukemia(biphenotypic form)は,単一の白血病細胞にリンパ球系,骨髄球系の2つの形質を有する特徴を持つ.その成因はいまだ明確にされていないが,急性白血病の分化レベルが成熟に向かうほど,異系統の形質発現が認められないことから,リンパ球系,骨髄球系への分岐時期以前の細胞の白血化と考えられる.mixed lineage leukemiaにおける確立された治療法はなく,一般的にリンパ球系,骨髄球系のどちらに傾いているかにより治療が進められている.こうした病態の診断には,FCM法が用いられており,これまで以上に白血病細胞の表面形質を正確に把握することが必要となっている.
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