増刊号 感染症検査実践マニュアル
Ⅹ.技術講座
10.最近公表された医学領域における新菌名および変更菌名
坂崎 利一
1
1日本生物科学研究所
pp.334-337
発行日 1996年6月15日
Published Date 1996/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902817
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古い細菌分類学とは異なって,近代分類学では単に表現型性状だけでなく,遺伝子解析によって各菌の間の相互関係も重視するから,今まで同じ菌と考えられていたものが違う菌種であったり,あるいは違う菌と思われていたものが実は同じ種類の菌であったりすることがまれではなく,それが新しい菌の追加や菌名の変更につながる.1980年に新しい細菌命名規約が発効し,細菌の新しい菌名はすべて国際細菌分類委員会の機関雑誌に公表されるか,または同委員会で承認され承認菌名リストに追加されたものだけが有効となる.しかしそれでも,毎年新菌名は平均5〜6%,変更菌名は平均1.4%ずつ増加し,それらの数%は医学細菌である.
表題の“最近”という語をいつごろからに絞るか判断に迷うが,一応それを1990年以来ということとし,1995年9月までに公表された菌名の中から,医学に関係のあるものを選出して付表にまとめた.しかし,医学に関係するといっても,発表論文を通覧した限りではそれが不明なものも多くあり,この選出はまったく筆者の独断によるものである.
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