増刊号 感染症検査実践マニュアル
Ⅶ.抗菌薬の抗菌力試験
6.臨床への報告
千葉 潤一
1
1仙台厚生病院臨床検査部微生物検査室
pp.254-256
発行日 1996年6月15日
Published Date 1996/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902790
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はじめに
細菌感染症の治療薬選定に際しては,起炎菌の感受性成績が重要であるが,本邦では起炎菌別の測定薬剤選択の考えかたが整理されていない.その原因は主に,抗菌薬の数が他国と比較して多いことや,地域的に使用薬剤や耐性パターンが異なるためである.診療報酬の面からも感受性を測定しうる薬剤数には限界があり,問題をさらに複雑にしている.一方,米国臨床検査標準委員会標準法(NCCLS法)1,2)では,どの薬剤を検査し報告するかを決定するための指針を作成し,さらに選択的な報告という考えかたを提唱している.本邦においてもNCCLS法に準じる薬剤感受性検査法が普及しているので,そこでの考えかたを中心に述べてみたい.
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