検査データを考える
高HDL血症
千葉 仁志
1
,
秋田 治邦
1
1北海道大学医学部附属病院検査部
pp.903-908
発行日 1995年10月1日
Published Date 1995/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902528
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はじめに
リポ蛋白は比重により,キロミクロン,超低比重リポ蛋白(very low density lipoprotein;VLDL),低比重リポ蛋白(low density lipoprotein;LDL),高比重リポ蛋白(high density lipoprotein;HDL)に分類される.このうち,LDLが動脈硬化の正のリスクファクター(悪玉)であるのに対し,HDLは負のリスクファクター(善玉)であることが,種々の疫学調査や細胞培養実験で明らかにされている.近年,わが国で高HDL血症の病因解析が進んだことを反映して,高HDL血症に対する関心が高まっている.ここでは,HDL代謝の概略をコレステロール逆輸送系に重点をおいて解説し,次いで高HDL血症の成因を示し,最後に臨床検査に関連する事項を解説する.
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