今月の表紙
ホジキン病の細胞像
都竹 正文
1
,
古田 則行
1
,
坂本 穆彦
2
1癌研究会附属病院細胞診断部
2東京大学医学部病理学教室
pp.755
発行日 1995年9月1日
Published Date 1995/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902485
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ホジキン病(Hodgkin's disease;HD)は歴史的にはリンパ肉芽腫症とも呼ばれていたように反応性肉芽腫性病変と考えられていた時代があった.現在では腫瘍性疾患であり,腫瘍細胞はHodgkin細胞,Reed-Sternberg型巨細胞およびそれに類似する大型異型細胞で,その腫瘍細胞の存在または増殖に対する宿主側の反応として小リンパ球,好酸球,好中球,類上皮細胞ないし組織球の浸潤や線維化を引き起こし,一見,肉芽腫様病変を呈する腫瘍性疾患と考えられている.したがってその診断基準は異型性を示す組織球性細胞の増生を基盤として巨大核小体を有する単核大型異型細胞(Hodgkin細胞:写真a)または同様の核所見を示す特異な多核巨細胞,すなわちReed-Sternberg巨細胞(写真b)は核が鏡像(mirror image)のように左右対称的に2核(写真c),4核に多核化したものである.その核にも巨大核小体がみられる.診断的にはHodgkin細胞,Reed-Sternberg巨細胞を見いだすことである.
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