明日の検査技師に望む
データが読める検査技師に
奈良 信雄
1
1東京医科歯科大学医学部臨床検査医学
pp.12
発行日 1995年1月1日
Published Date 1995/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902210
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もう20年も前のことになる.当時,大学の医学部を卒業したての研修医だった小生は,内科病棟内を駆けずり回っていた.大学で学んだはずの知識は日常の臨床活動にはまるで不十分で,何もかも新しく,ありとあらゆることが刺激であった.患者から学んだり,データから考えさせられたり,また先輩から教わったりした.この時期の厳しいトレーニングは,その後の進路に大きく影響を与えるものであり,今思い出すと大変懐かしいものだ.
そんなある日の夕刻,病棟に検査室から電話が入った.「先生の受け持ち患者さんの血清蛋白電気泳動像が奇妙です.病態やその他の検査所見などを教えていただきたい」という内容のものだった.小生が検査室に出向いたのか,あるいは検査技師が病棟に来てくれたのか,はっきりとは思い出せない.いずれにしろ,机を囲んで話し合った.
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