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ホルター心電図によるST変化の新しい表現方法
原 正壽
1
,
金子 睦雄
2
1聖マリアンナー医科大学第二内科
2フクダ電子(株)システム部
pp.82-83
発行日 1994年1月1日
Published Date 1994/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901792
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ホルター心電図におけるST変化は,主に虚血性心疾患の診断に利用されている.しかし,ST部分は虚血のほかにもさまざまな要因で変化する.したがって,労作性狭心症にみられる虚血性ST変化(下向型ST下降)や,異型狭心症および急性心筋梗塞に発現するST上昇を的確に表示する必要がある.このため,STレベル(高さ)だけでなくSTスロープ(傾き)のトレンドグラムの変化様式を観察し,虚血性ST変化を検出する方法が最も一般的である.この方法は,STの変化を表示する方法として画期的なものだが,2種類のパラメータから判別を行うため,判読に経験を要する.また,波形の詳細な変化が観察できないため,体位性ST変化あるいは心拍依存性ST変化などの非虚血性ST変化との鑑別が,ときとして困難となる場合がある.そこで,最近ST変化の経過のみならず,ST部分の形状を時系列表示する試みがされている.ここでは,新しい2種類のST表示法を紹介する.
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