マスターしよう検査技術
微量末梢血を用いたリンパ球芽球化能測定法
田坂 哲哉
1
,
松島 早月
1
,
松崎 潤
1
,
中原 一彦
1
1杏林大学医学部臨床病理学
pp.57-62
発行日 1993年1月1日
Published Date 1993/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901377
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
リンパ球は抗原などの刺激により,細胞分裂を起こし,抗体産生,リンホカイン産生,細胞障害活性,ヘルパーあるいはサプレッサー機能などを発揮する.リンパ球芽球化能試験は,末梢リンパ球にマイトジェンや特異抗原を添加し培養することにより生ずる幼若化の程度から,免疫能の異常や特定の抗原に対する感作の有無を調べる検査である.通常は,比重遠心法により分離した単核球を血清添加培養液中で培養し,放射性物質の取り込みによりDNA合成の程度を測定する方法が用いられている.
こうした従来の方法は,単核球を採取するために多量の血液を必要とし,また,添加血清の質的影響を受けるという問題がある1).
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.