増刊号 尿検査法
II.各論
19.ホルモンおよび関連物質
4)副腎皮質関連
(2)17-OHCS
武部 和夫
1
1弘前大学医学部第三内科
pp.211-213
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901123
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はじめに
17-ヒドロキシコルチコステロイド(17-hydroxycorticosteroids;17-OHCS)はC17,21位にジヒドロオキシアセトン側鎖をもつステロイドホルモンの総称である(図1).副腎皮質束状層からコルチゾール(F)とコルチコステロン(B)が分泌され,肝で還元されてテトラヒドロ型(THF,THB)となり,グルクロン酸抱合されて尿中に排泄される.コルチゾールの一部は肝,腎で11β-ヒドロオキシステロイドデヒドロゲナーゼの作用を受けてコルチゾン(E)となり,肝で還元されてテトラヒドロ型(THE)となってグルクロン酸抱合され,尿中に排泄される(表1).正常者において尿中17-OHCSとして測定される主なものはTHF,THEである.
尿中17-OHCSの測定は副腎皮質機能の日常検査として有用であり,また視床下部-下垂体前葉-副腎皮質系の機能状態をも反映している.また,視床下部-下垂体前葉機能検査としてのメトピロン試験,デキサメサゾン試験,副腎皮質機能検査として行われる連続ACTH-Z試験の指標としても用いられている.
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