検査法の基礎
抗核抗体の検査法
長野 百合子
1
,
𠮷野谷 定美
2
,
大久保 昭行
2
1東京大学医学部附属病院検査部
2東京大学医学部臨床検査医学教室
pp.15-19
発行日 1991年1月1日
Published Date 1991/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900484
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サマリー
抗核抗体の検査は,自己免疫疾患の診断に欠かせない重要な検査である.自己免疫現象が個体の中で発生したことを告げる最も敏感な検査である.この診断的価値は,抗核抗体が臓器特異性,種特異性を示さないことに根ざしており,そのような自己抗体は個体の免疫機能の異常がないと発生しないと考えられるからである.ルーチンの検査法として最もポピュラーなものは,HEp-2細胞を使った蛍光抗体間接法であり,それにゲル内免疫沈降反応による検査法を併用して抗核抗体の検査が行われている.これらの検査法により細分化された抗核抗体の種類は,膠原病,自己免疫疾患,肝疾患等の個別の疾患に特徴的に現れることが知られている.この抗核抗体の種類と疾患の対応を知ることは,臨床家にとって大きな利益をもたらす.
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