明日の検査技師に望む
検査部創設時の意気は今どこへ
石戸谷 豊
1,2
1日本臨床病理学会
2東北臨床医学振興会
pp.1462
発行日 1990年11月1日
Published Date 1990/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900427
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突然,“明日の検査技師に望む”という欄に原稿を依頼されて,1965年日本臨床病理学会総会において,シンポジウム「検査部運営の諸問題-人の問題」(臨床病理,14,106,1966)を担当した私は感無量なるものがある.危惧していたことが,今来たかというまことに切ない思いがする.
検査部創設時のことを思い起こすと,当時の他の職種は,ただ医師の命ずるままの業務であった.そこに忽然と,病態解明,測定法の改良・開発という学問的基盤に立って出現したのが,我々の職種であった.その後の日進月歩の発展はご承知の通りである.特に忘れてならない点は,臨床検査技師の地位の向上が,この学問的基盤によるという点である.他の職種が目覚めたのも,臨床検査の発展に触発されたといっても過言ではない.
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