増刊号 血液・尿以外の体液検査法
20 鼻汁
D.微生物学的検査法
目黒 英典
1
,
川上 小夜子
2
1帝京大学医学部附属市原病院小児科
2帝京大学医学部附属病院中央検査部
pp.808-811
発行日 1990年5月15日
Published Date 1990/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900240
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はじめに
鼻腔および鼻咽頭は,出生直後の新生児を除いて常在菌の存在する部位である.病原性の強い菌も常在菌叢の一部を形成することはしばしばあるので,培養に当たってその結果の解釈は非常に難しい.特に気管支炎・肺炎の起炎菌を上気道の検体の培養で決定することはできないとされている.しかし,血行性の肺炎は別だが,ほとんどの気管支炎・肺炎の起炎菌は上気道に存在するはずであり,それを決定する簡単な方法は今後も研究すべきであろう.
本稿では筆者らの新しい試みも紹介しながら主に小児科領域における鼻汁検査について解説する.
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