増刊号 血液・尿以外の体液検査法
14 胸水
A.総論
北村 諭
1
,
石井 芳樹
1
1自治医科大学呼吸器内科
pp.719-722
発行日 1990年5月15日
Published Date 1990/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900208
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検査の意義
健常者においても胸膜腔内に10〜15ml以下の少量の胸水が存在しており,極めて薄い層をなして臓側胸膜と壁側胸膜の間の潤滑液の役目をしている.この正常量の胸水はX線写真にてとらえることはできない.臨床的にX線写真で検知できる量の胸水貯留は明らかに病的であり,なんらかの原因疾患が存在する.
胸水検査によって多くの情報を得ることが可能であり,心不全などで原因が明らかな場合を除いて,原則的に胸水穿刺による胸水検査が診断上必要不可欠である.胸水が急速に器質化したり,消失する場合もあるので,時機を逸せずに検査を行うことが重要である.
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