検査データを考える
貧血
内田 立身
1
1福島県立医科大学第一内科
pp.393-395
発行日 1990年4月1日
Published Date 1990/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900108
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貧血の診断
臨床検査上,貧血の診断は赤血球数,ヘモグロビン濃度,ヘマトクリット値に基づいてなされる.一般にはWHOの基準(男性13.0g/dl未満,女性12.0g/dl未満)がよく用いられる.筆者らは最近の調査で,鉄欠乏のない(トランスフェリン飽和率16%以上,血清フェリチン12ng/ml以上)健常人男女でヘモグロビン値をみると,男子12.8〜16.8g/dl,女子12.1〜15.7g/dlとなり,WHOの基準を当てはめて問題はないと考えられる1).
貧血は臨床的に無症状で軽度のものから,重篤なものに至るまで種々のものがある.また,外来診療でしばしば経験されるものと,診断・治療上重要ではあるが,比較的珍しいものに大別できる(表1).
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