今月の主題 血管壁細胞
各論―測定と病態との関連
トロンボモジュリン
脇田 利明
1
,
林 辰弥
1
,
湯浅 浩行
1
,
田中 仁
1
,
鈴木 宏治
1
Toshiaki WAKITA
1
,
Tatsuya HAYASHI
1
,
Hiroyuki YUASA
1
,
Hitoshi TANAKA
1
,
Kouji SUZUKI
1
1三重大学医学部分子病態学教室
キーワード:
トロンボモジュリン
,
トロンビン
,
プロテインC
Keyword:
トロンボモジュリン
,
トロンビン
,
プロテインC
pp.1145-1151
発行日 1999年10月15日
Published Date 1999/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904197
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トロンボモジュリン(TM)は血管内皮細胞上の高親和性トロンビン結合蛋白質で,トロンビンによるプロテインCの活性化補助因子として機能する.その先天性異常症は血栓症をきたすことから,生理的に重要な抗血栓性因子である.血漿中や尿中には可溶性TMが存在し,血漿中の可溶性TMは,播種性血管内凝固症候群(DIC),血栓性血小板減少性紫斑病(TTP),糖尿病性血管障害,全身性エリテマトーデス(SLE)などの膠原病,成人呼吸促迫症候群(ARDS),肺血栓塞栓症等の内皮障害を伴う疾患で増加することから,血管内皮障害分子マーカーとして有用である.可溶性TM濃度は,TMに特異的な抗体を用いた酵素免疫学的測定法で定量することができる.
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