今月の主題 血管内皮細胞
技術解説
トロンボモジュリン
石井 秀美
1
,
木崎 景一郎
1
,
堀江 修一
1
Hidemi ISHII
1
,
Keiichiro KIZAKI
1
,
Shuichi HORIE
1
1帝京大学薬学部臨床生化学教室
キーワード:
トロンボモジュリン
,
血漿中トロンボモジュリン
,
血管内皮細胞
Keyword:
トロンボモジュリン
,
血漿中トロンボモジュリン
,
血管内皮細胞
pp.361-366
発行日 1992年4月15日
Published Date 1992/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901037
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トロンボモジュリン(thrombomodulin;TM)は,血管内皮細胞膜上に存在する血液抗凝固蛋白質である.内皮細胞が炎症性サイトカインやエンドトキシンにさらされると,TMの発現は低下し,炎症や感染症時において血栓が発症しやすいことの1つの要因と考えられている.一方,内皮細胞へのサイクリックAMPやレチノイン酸の処理によってTMの発現量の増加することが報告され血栓症の予防と治療の面から注目されている.また,循環血漿中にはTMの分解産物である低分子のTM抗原が存在し,血漿中TM抗原量の増加は内皮細胞障害の程度を推測する指標としても注目されている.本稿ではこの様に多方面から注目を集めているTMを,実際に測定する方法を詳述した.
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