増大号 POCUSの決め手。 早く、正確な診断のために
3章 領域ごとの基本走査法
血管領域
太田 智行
1
1国際医療福祉大学病院放射線科
キーワード:
POCUS
,
頸動脈
,
腹部大動脈
,
下大静脈
,
下肢静脈
,
大動脈解離
,
腹部大動脈瘤
,
深部静脈血栓症
Keyword:
POCUS
,
頸動脈
,
腹部大動脈
,
下大静脈
,
下肢静脈
,
大動脈解離
,
腹部大動脈瘤
,
深部静脈血栓症
pp.220-225
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543209262
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はじめに
POCUSの目的の1つは,臨床情報を加味した上で,ベッドサイドの超音波検査を用い,早く正確な診断を行い,迅速に正しく介入し,予後を最良化することである.誤解があるかもしれないが,POCUSはCT検査を排除するものではない.CT検査装置がない環境ではもちろん,患者のバイタルサインが不安定でCT検査が難しい場合などでは,超音波検査しか頼れないが,現代の救急医療でCT検査を完全に省略することは困難である.従って,実際はCT検査前に可能な診断はつけて,迅速介入の準備を始めたり,CT検査後の経過観察で,超音波検査を積極的に利用しながら,刻々と変化する患者の容態を追跡したりすることがPOCUSの役割になることが多い.ただし,CTやMRI検査による画像診断だけでは正確な病態が見落とされるようなピットフォールもあるため,POCUSの視点は救急医療では必須である.
*本論文中、[▶動画]マークにつきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2027年3月31日まで)。
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