臨床検査のピットフォール
HbA1c測定とデータ解釈のピットフォール
佐藤 麻子
1
1東京女子医科大学臨床検査科
pp.62-64
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543209217
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はじめに
糖尿病は慢性疾患であり,長期にわたり血糖値を良好に保つ必要がある.しかし,血糖値は食事の種類や量,そして活動量の影響下で,刻々と変化している.このため,血糖値のみではなく,ある程度長期間の平均血糖値を反映する指標が必要である.その1つであるHbA1c(hemoglobin A1c)は,赤血球中のヘモグロビンが,血中を循環しているあいだにグルコースと非酵素的に結合した糖化タンパクである.HbA1c値は,過去約2カ月の血糖コントロールの指標として,臨床上汎用されている.
本稿では,HbA1c測定とその値の解釈において,落とし穴に落ちないための注意点について述べる.
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